革バッグのお手入れ方法

革はとてもデリケートな素材。大切に使っていても時間の経過と共にくたくたになってしまったり、季節外のバッグなどを間違えた方法で長期保管してしまうと、 油分のバランスがくずれ乾燥して痛んでしまうことも。お気に入りのバッグを長くご愛用いただくために、正しいお手入れと保管方法についてご紹介いたします。

革製品バッグの保管方法

長期間ご使用にならないバッグは、保管前にお手入れをした後、バッグの形状や素材に適した形で保管することにより、乾燥や型崩れを防ぎます。

お手入れ方法はこちら
  • 通気性のいい不織布に入れる
    ほこりや傷を防ぐために、通気性のいい不織布の袋に入れて保管します。綿などの袋を使いたい場合は口を開けて保管することで湿気がこもるなどのトラブルを防ぎます。
  • 新聞紙やタオルを詰めて自然なふくらみを作る
    自然な形になる程度の詰めものをして形を保つことで、型崩れを防ぎます。また、新聞紙は湿気の吸収にも役立つので、カビ予防にも効果的です。 (※インクの色うつりが心配な場合は白い紙で包んで丸めてください。)
  • ショルダーの紐や取っ手に布を巻く
    バッグの紐や取っ手にお使いにならない布やストッキングを巻いて保存することをおすすめします。そうすることでクッション替わりになり、表面に跡や色が付いてしまうことを防ぎます。
  • 保存方法は“吊るす”か“寝かす”
    シワが付いたり型崩れしないよう、吊るすか寝かせて保存します。吊るす際にはフックとバッグの間にタオルなど柔らかいものをはさめば、取っ手にフックの跡がつく可能性が軽減されます。 一時的な保管であれば鞄を寝かせておくのも良いでしょう。

保管時に気を付けること

  • 日当たりのいい場所での保管
    天然素材である革は、人間の肌と同じように紫外線でダメージを受けます。直射日光があたると日焼けして乾燥によるひび割れや、艶感が失われることがあるため風通しのよい日陰で保管するようにしましょう。
  • 高温多湿の環境
    温度や湿度の高い環境は革製品にダメージを与えます。熱や湿気で表面にべたつきが出るなどのトラブルが起こります。保管の環境によっては劣化が極端に進むこともあります。
  • 荷物の重みによる負担
    中身の重みが革の負担となってしまうため、日常使いをしている場合も荷物を抜いて保管することがおすすめ。室内の状況や次回の使用タイミングによっては型崩れやカビの原因に。革製品バッグの中身はできるだけ出しておくようにしましょう。
  • 埃や汚れが付着したままの状態
    表面についた汚れやホコリは、カビなどのトラブルにつながる可能性があります。毎日使うバッグも、忘れずに定期的なお手入れをすることで、長く綺麗な状態をキープしていただけます。

基本のお手入れ方法

毎日使用しているものは1~2カ月に1度を目安にお手入れをすることで保革や防水、日焼けを防ぐなどの効果が得られます。季節外のものなど長期保管の際には保管前や使用前にお手入れをしてください。

用意するもの
●タオル ●保革クリーム ●ポリッシングコットン(ハンカチでも可)
  • 1.革の表面のほこりや汚れを落とす
    ほこり落とし用のブラシやタオルでバッグの表面についた汚れはほこりを払ってください。
  • 2.クリームを塗布する
    コットンにクリームを1円玉ほどの大きさほど取り均等になじませたあと、バッグの表面を優しく円を描くようにクリームを薄く塗り広げます。 人の肌と同じように丁寧に塗り込むことで、必要な潤いをじっくりと浸透させます。
  • 3.ツヤ出し
    ツヤ出し用のブラシがあれば、表面を撫でるようにブラッシングして終了です。無い場合はコットンの乾いた部分で撫でるように優しく拭いてください。

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革も人の肌と同じように、もっと身近に育むようにケアしてほしい。大切なものをいつまでも長く使ってほしい。手で塗りこめる、ハンドクリームのようなお手軽さの保革クリームです。天然の日焼け止めと言われるUV(ラズベリーオイル)成分が配合されているため、大切なバッグを色ムラ、ひび割れ、乾燥から守ります。

特別な場合のお手入れ

カビが生えてしまった場合
雨の日など鞄が濡れてしまったまま放置すると、素材によってはシミやヨレなどの原因に。適切なお手入れをしてトラブルを予防しましょう。
【天日干し】
固く絞った濡れタオルで表面についたカビを優しく落とし、しっかり乾くまで天日干しします。長時間干してしまうと革が乾燥して型崩れの原因になってしまうこともあるので注意してください。 (※乾いたタオルを使うとカビの胞子が空気中に広がってしまいます。)
【消毒用エタノール】
エタノールはタンパク質を分解するため、カビ落としにおすすめ。固く絞った濡れタオルでカビを落とした後に、エタノールを含ませたタオルでバッグを拭いてしっかりと乾燥させます。 (※変色させてしまう可能性があるため、目立たないところで問題がないかを確認してください。
  1. カビを落として乾かしたあとは「基本のお手入れ」を行ってください。
  2. カビが生えてしまうとクローゼット内にカビ胞子が浮遊している可能性があるため、同じ場所に保管していたバッグも一度拭き、クローゼット内を換気してください。
雨などで濡れてしまった場合
雨の日など鞄が濡れてしまったまま放置すると、素材によってはシミやヨレなどの原因に。適切なお手入れをしてトラブルを予防しましょう。
  1. 革製品が濡れてしまった場合は、乾いている柔らかい布で水気を拭き取ります。このときこすったりすると色落ちや傷の原因となってしまいますので、優しくおさえるようにしてください。
  2. シミができてしまった場合は、乾燥する前に軽く水拭きで境界線をぼかすように水分をなじませていきます。(※濡らしすぎると革が傷んでしまうため注意)全体の色味が均一になったら、 乾いたタオルで1.の通り水気を拭き取ります。
  3. 革製品の中に新聞紙や乾いた布を入れ、直射日光の当たらない風通しの良い場所で時間をかけて乾燥させまます。 ドライヤーなどで一気に乾かしてしまうと傷みの原因になるため自然乾燥させてください。
  4. 「基本のお手入れ」を行います。※雨の日に革製品を使う際には事前の防水スプレーがおすすめ。 ただし使いすぎは革の劣化にもつながるため、適度に使用することをおすすめします。

週に1度はクローゼットの扉を開けて換気することでカビトラブルを軽減

高温多湿の日本ではホコリ対策より、湿気対策が重要。湿気や汚れ、汗が原因となり、カビが生えます。 また湿気で革製品の表面のコーティング剤が溶けてベトついたり、革の表面が触れ合って色が剥がれたり・・・と革製品ダメージを与える原因になります。 対策として、週に1度、出かける前にバッグが入った収納扉を開けて換気をしましょう。また保管している間に型崩れを起こさないようにすることも忘れずに。 これらを注意すればトラブルをぐっと減らせます。