エルメスが手掛けたバッグの歴史は、1892年に発表された「オータクロア(Haut a Courroies)」から始まります。馬の鞍(サドル)を収納して運ぶために作られたこの大型バッグは、縦長の堅牢なシルエットとフラップ(かぶせ蓋)、そしてそれを固定するクロア(ベルト)を備えており、後年に誕生するすべてのエルメスのバッグの原点(原形)となりました。
時代が下り、1923年にはカナダを訪れたエミール・モーリス・エルメス(Emile-Maurice Hermes)が自動車の幌を固定するパーツから着想を得て、エルメスが世界で初めてファスナーを採用したバッグとして知られる「ボリード(Bolide/旧ブガッティ)」を発表。1930年代には「サック・ア・クロア(Sac a courroie)」が登場、後にモナコ公妃グレース・ケリーが愛用したことから「ケリー」の名で知られるようになります。数々のアイコンバッグを世に送り出したエルメスはバッグ界における地位を不動のものとしていきます。